Back Number 感色バックナンバー

Vol.1
2012年10月発行

  • 用紙:サテン金藤 菊判Y目93.5Kg
  • スクリーン線数:FM350線
  • 印刷機:油性菊全5色機

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「美的感覚」と「技術的観点」の融合で
赤い被写体の素材感を引き出す

冊子「感色」は、被写体の持ち味を最大限に引き出し、効果的に伝える印刷手法を追求する印刷物として発刊しました。初号は「赤」をテーマに、さまざまな赤色の表情を模索し、リンゴのみずみずしさや、口紅の艶やかな表情、布の柔らかな質感などの印刷表現を追求しました。理想とする被写体選び、撮影、オノマトペのアイデアなど、ゼロからの制作で苦労することも多く、特に画像の決定には何度も検討を重ねました。

デザイナーのアート的な美的感覚と、レタッチと印刷の技術的観点をお互いが理解し合えた初号となりました。

表紙 刷り色:プロセス4°

  1. 赤帯ベースC:0,M:90,Y70,Bk30で印刷しました。
  2. 赤帯に対してグロスニスとマットニスを施すことによって同色に対する
    「艶」「マット」「通常」の3パターンを表現しました。
  • CMYK版
  • グロスニス版
  • マットニス版

リンゴ 刷り色:プロセス4°+艶ニス

  1. シズル感を出すためCMYK画像に強めにシャープネスをかけ、油性インキプロセス4色でリンゴを印刷しました。
  2. リンゴのディテールが出るように、スクリーニングをFM350線スクリーンで出力しました。
  3. リンゴ画像に対してペンツールやブラシツールで水滴部分のニス版を作成。
  4. リンゴの瑞々しさを表現するため、グロスニスで限界まで盛って印刷。
  • CMYK版
  • グロスニス版

刷り色:プロセス4°+蛍光オレンジ

  1. RGB画像よりJapanColorでCMYKに変換して、プロセスインキの濁りが出ないように、オレンジのきれいな部分のMとYを落としました。
  2. オレンジ部を抽出して蛍光オレンジ版として作成し、CMYKの上に補色として加色しました。
  3. 蛍光オレンジを加色することによって、通常プロセスインキではできない領域の綺麗な色を表現しました。
  • 仕上がり
  • CMYK版
  • 蛍光オレンジ版