Back Number 感色バックナンバー

Vol.3
2013年7月発行

  • 用紙:サテン金藤 菊判Y目93.5Kg
  • スクリーン線数:FM175線
  • 印刷機:油性菊全5色機

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日常にあふれているけれど、
じつは印刷再現が難しい色、緑

CMYK4色のプロセスインキでは最も表現領域が狭い色の一つだといわれている色、緑。その緑の中でも、光を感じる緑に焦点を当てて印刷に挑みました。オーロラの幻想的な曲線。照明を受けてきらきらと揺れる水草。闇夜に浮かぶ工場地帯の騒がしい灯り。CMYKだけでは出せない光る緑を蛍光グリーンの版を作ることで再現し、さらにカレイド印刷という通常より色の再現領域を広げた印刷手法も取り入れました。緑の難しさは承知の上でしたが、写真選定と制作期間にかなりの時間を要した号となりました。

表紙 刷り色:プロセス4°+蛍光グリーン

  1. 下地に蛍光グリーンをベタ印刷
  2. 斜め帯のパターンを作成してCMYK版を乗せて印刷することにより、特色の綺麗なグリーンとプロセスインキの対比でパターンを強調している
  3. なおCMYKのグリーンはC50%+Y100%で、濁りになるM版は入っていません。プロセスインキではグリーンは最も色領域が狭い色の一つだといわれています
  • 完成イメージ
  • 蛍光グリーン版
  • CMYK版

オーロラ 刷り色:プロセス4°+蛍光グリーン

  1. RGB画像よりJapanColorでCMYKに変換した画像に対して、グリーン部のプロセスインキのC・Yの濁りを抑えるためグリーンの純色CとYの網%を下げてプロセス4色で印刷
  2. RGB画像よりフル階調の蛍光グリーン版を作成して加色印刷することにより、通常CMYKでは再現できないグリーンを補完してRGB画像に近づけた
  • RGB色領域に比べて特にグリーン部と
    青紫部でCMYK領域が狭くなっている
  • 完成イメージ
  • CMYK版
  • 蛍光グリーン版