Back Number 感色バックナンバー

Vol.16
2019年8月発行

  • 用紙 表紙:新だん紙 白 四六判 Y目160Kg、
    本文:サテン金藤 菊判T目93.5Kg
  • スクリーン線数:AM175線
  • 印刷機:油性菊全5色機
  • 特殊加工:トムソン抜き

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シンプルな「火」の素材を取り上げながら
小さな工夫を散りばめた一冊

前号「水」よりもストレートな表現を多めにして、溶岩や煙、マッチや焚火など、火のモチーフを選択しました。火花のページは、一つの画像を通常のプロセスインキだけで刷った部分と特色インキを加えて刷った部分を同一ページ内に配し、インキによる色の違いをわかりやすく対比しています。表紙は風合いのある白い紙の全面に黒インキを刷って黒い紙を作り、オリジナルのトムソン型で抜いていますが、実は紙が思いのほか伸びたことで全数刷り直しするなど、トライアル&エラーを経て完成しました。

表紙 用紙:新だん紙 白 四六判 Y目160Kg
刷色:プロセス4+特色オレンジ
特殊加工:トムソン抜き

表紙には「新だん紙」というかなり皺のある手触りが特徴で、両面ともリッチブラックで、さらに表面にはロゴ等オレンジ部は本文と同じ特色で印刷しました。印刷時この皺が思いのほか伸びるため、オレンジのロゴのトラッピング処理、太めのゴシック体の白抜き文字をデータで施していたものの、どうしてもずれてしまいます。そこで、本印刷前に一旦、用紙を空通しして皺を少し伸ばしその後本印刷しました。

製本加工としては左右を流線形に切り落とし、合わせ目から下のページが覗く演出にし、インパクトのある見た目、手に取った時の魅惑的な質感、めくって中を見たくなるような仕掛けを持たせています。

  • 表紙 表
  • 表紙 裏

溶岩 刷色:プロセス4+特色イエロー+特色オレンジ +マットニス

  1. 画像の溶岩部のプロセスインキの濁りが出ないようイエローとオレンジの色を抜きベースにCMYK画像を印刷。
  2. RGB画像より溶岩のイエロー部分を抽出しきれいな特色イエローで加色する
  3. 同じくRGB画像より溶岩のオレンジ部分を抽出しきれいな特色オレンジで加色する
  4. スミ版をコピーしてコントラストをつけ、さらに溶岩のゴツゴツ感を強調するためアンシャープマスクフィルターで半径を大きくして強い目にかけたものをマットニス版として作成して印刷

特色のイエローとオレンジを追加することによりプロセスインキで発生する濁りを無くした発色を目指した。また、スミ版をデータ上加工することで岩のゴツゴツした質感を強調した。さらに岩の影の部分にマットニスを加えることで立体感を強調した。

  • 仕上がり
  • CMYK画像
  • 特色イエロー版
  • 特色オレンジ版
  • マットニス版

線香花火 刷色:プロセス4+特色イエロー+特色オレンジ

同じ色合いの画像の花火の部分で右下の小さいものはプロセスのみで、左上は特色イエローとオレンジを使用し印刷している。並べることでプロセスインキだけでは火を表現できないという限界が判る。

  • 仕上がり
  • CMYK画像
  • 特色イエロー版
  • 特色オレンジ版