Back Number 感色バックナンバー

Vol.17
対比色
2020年3月発行

  • 用紙:サテン金藤 菊判Y目93.5Kg
  • スクリーン線数:AM231線
  • 印刷機:油性菊全5色機
  • 特殊加工:LE-UV菊全4色機印刷機+油性菊全5色機

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色の関係性に注目
シンプルながらもインパクトを与える

凝った特殊加工や変わった紙は印刷物の大きな魅力ですが、今回は原点であるシンプルな印刷のみでの表現に立ち返ることに。自然界では赤と緑などの主張する色同士でも、ぶつからずに互いを引き立てているシーンが多く見られることから、あえて色が「対比」しているような誌面を構成しました。それに合わせて、表紙を含めた全ページでインキ濃度を大幅に上げて刷る「高濃度印刷」を行い、絵柄の立体感、ボリューム感を出しています。

高濃度印刷について

今回はモチーフの立体感、ボリューム感、その対比を強調するため高濃度印刷を行いました。具体的には印刷時に標準的なインキ濃度から大幅に高い濃度で刷り、各インキの濃度のバランスを取りながら約40から50%上げています。しかし、網点のインキの濃度を上げると、画像の濃い部分の調子がつぶれてしまうため、印刷用の版を作る製版の段階から出来上がりを予測して、刷版出力カーブの中間からシャドウ側を落として、回避する微妙な調整を加えています。

  • 標準カーブ 標準カーブ
  • 高濃度用カーブ 高濃度用カーブ

表紙 刷色:プロセス4°+蛍光イエロー+OPニス+マットニス

  1. デザインベースはプロセス4C。山々の色の対比を作成。
  2. 表紙の斜めの線は蛍光イエローで空との反対色を構成。
  3. 空にはマットニスとグロスニスで質感の違いを表現。
  • CMYK版
  • マットニス版
  • グロスニス版

空と花 刷色プロセス4°+特色:紺色

  1. RGB画像よりJapanColorでCMYK変換し、空に関してはプロセスインキでは濁ってしまうため、CとMをやや落とした画像を作成。
  2. 特色の紺色用に空の部分を抽出して、CMYKの上に加色。
  • 完成イメージ
  • CMYK版
  • 特色:紺色版