Back Number 感色バックナンバー

Vol.18
2020年10月発行

  • 用紙:
  • タント V-52 四六判Y目100kg
  • サテン金藤 菊判Y目93.5kg
  • スクリーン線数:AM175線
  • 印刷機:
  • 表紙 LE-UV菊全4色機印刷機
  • 本文 油性菊全5色機

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創刊当時のコンセプトに回帰し、
画像素材の「再現性」に徹底的に向き合う

創刊当初の「感色」のコンセプトに回帰し、1色のテーマカラーを取り上げ、掲載する画像ごとの「再現性」に純粋に向き合うものづくりを行いました。
そして出来上がった第18号のテーマカラーは、創刊号と同様の「赤」。
印刷表現の手法としては、インキやニスのバリエーションのみのシンプルな印刷でどこまで被写体となる素材を再現できるかを追求しました。
また表紙については色紙に印刷を行う場合のサンプルとしての側面も持たせ、赤くビビッドな色紙に、白インキの重ね刷りを行なっています。

表紙 用紙:タント V-52 四六判Y目100kg
刷色:白インキ

赤い用紙に白いインキで印刷しました。白インキは通常のプロセスインキで刷るように1回の転写では白くはならず、3回は重ねないと白く発色しません。

さらに、デザインにご覧のような極細の模様があると、同じ位置に重ねて刷る場合には微妙な調整が必要となり、印刷技術が求められます。

  • 白インキ版 白インキ版
  • 用紙色 用紙色

薄明 刷色:プロセス4+特色オレンジ

元の画像では、空に奥行き感がなく、雲の隆起が少なく、さざ波もはっきりしていません。
プロセスインキだけで印刷すると空の表情が乏しくなってしまうため、プロセスインキで表現できない色域を特色で補いました。今回はオレンジインキの特色を使用しました。

  • CMYK版
  • 特色オレンジ版
  1. 燃えるように赤く反射した部分は濁りのない特色オレンジが乗るように、その部分はあらかじめインキ量を調整したCMYK画像を用意。
  2. 赤く反射している部分を元画像から抽出して特色オレンジを加色。
  3. ブラック版で影をしめてコントラストをつけました。

辰砂 刷色:プロセス4+グロスニス+マットニス

元の画像では、表面に彫り込まれた模様の立体感が物足りません。そこで、少しイメージをずらして厚みのある調子画像を作成し、色目補正した画像に対して合成加工を施し、模様が浮き出るようにしました。また質感についてはグロスニスとマットニスを使用することで、リアルな光沢を出しました。

  • CMYK版
  • マットニス版
  • グロスニス版
  1. 繊細かつ深い彫刻の彫り込みを表現するため、影になる版を作成し、ややずらして重ね彫りの深さを強調したCMYK版を印刷しました。
  2. 光沢のある部分とない部分を画像データから加工し、マットニス版とグロスニス版を作成、CMYK版に乗せて印刷しました。