Back Number 感色バックナンバー

Vol.21
2021年10月発行

  • 用紙:
  • 表紙 サガンGA 黄緑 四六判170kg
  • 本文 サテン金藤 菊判Y目93.5kg
  • スクリーン線数:AM175線、一部FMスクリーン
  • 印刷機:
  • 表紙 LE-UV菊全4色機印刷機
  • 本文 油性菊全5色機

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生命力を感じる色「緑」
瑞々しさ、鮮やかさを印刷で表現

感色vol.21のテーマカラーの「緑」は植物や森林など自然を感じさせる色で、私たちの暮らしに溶け込んだ色です。また、五感の中では特に「嗅覚」と密接な関係がある色でもあります。黄色と青の中間色であり、緑に相当する色は広範に及ぶ色の総称になります。
今号の感色では、植物の瑞々しさ、ふくよかさや鮮やかさの表現、蛍光色を補色として用いた美しい色域の再現に挑みました。
またここ数年、印刷物においても「エコロジー」というテーマの需要が更に増しています。
エコロジーというテーマと親和性のある緑にちなみ、今号の表紙はPPや箔押しを使用せず、型押しのみでインパクトある印刷物を作る試みを行いました。印刷版は6版、型押し版もエンボスとデボスの2版を組み合わせた手の込んだ作りとなっております。冊子の表紙やパッケージ等のアイデアにご活用いただければ幸いです。

表紙 用紙:サガンGA 黄緑 四六判170kg
刷色:プロセス4色+白

今号の表紙のデザインは「葉っぱ」のモチーフを採用。
ここ数年、印刷物においても「エコロジー」というテーマの需要が更に増しています。今号ではPPや箔押 しを使用せず、型押しのみでインパクトある印刷物を作る試みを行いました。
黄緑の用紙(サガンGA)に濃淡のある緑のイラストを表現するために5度刷りを行っています。

【工程】
①シアンインキのみで全体を印刷、全体の濃淡を表現。
②~④表1の葉っぱと周りの四角部分の下刷り用と白文字に白インキ版を作成、重ね刷りを行う。
⑤葉っぱの模様をCMYKで印刷。

注意点としては、色紙に白インキを使用する場合は十分な発色は3回以上の重ね刷りも必要になります。
デボス・エンボス加工の効果と相まってナチュラルで上質なイメージの表現ができました。

  • 用紙(サガンGA 黄緑)50色の豊かなカラー展開と微細なエンボスによる、硬質な印象のファインペーパー

印刷版(6版)

  • ①プロセスシアン
  • ②特色白 / ③特色白(②と同じ)
  • ④特色白(表4に柄あり)
  • ⑤プロセスイエロー・シアン・マゼンダ

型押し型(2版)

  • ①エンボス版
  • ②デボス版

エンボス / デボス加工とは

エンボス加工
エンボス加工は表面は凸、裏面は凹んだ状態で仕上がります。"浮き出し加工"とも呼ばれています。

デボス加工
デボス加工は"空押し"とも呼ばれており、表面は凹、裏面は凸の状態で仕上がります。

匂う色彩 刷色:CMYK+OPニス

画像の補正としては、写真の雰囲気を損なわないように大きな色目修正はせず、明るさの補正にとどめ、肌の血管や爪の余分なハイライトを削除。しわにもぼかしを加えることで美しさを表現しました。
製版・印刷の工夫としては、爪に光沢のあるOPニスを使用。さりげない“主役感”を演出します。

極光 刷色:CMYK+蛍光イエロー

通常のAMスクリーンではモアレやトーンジャンプ、線切れなどが起こることがありますが、フェアドットにすることで、それらの印刷時の問題を解決し、高品位な印刷が可能となります。また、色の濃淡や階調表現にも優れています。しかしながら安定した印刷を行うには高度な管理も要求されます。

翠玉 刷色:CMYK+蛍光イエロー

エメラルドの結晶部分にシャープネスを加えすっきりとした質感に。結晶部分のみを選択してイエロー版を蛍光イエローに置き換え、プロセスでの再現が難しい綺麗な青緑を表現しました。

  • 仕上がり
  • シアン
  • マゼンタ
  • イエロー(通常)
  • ブラック
  • 蛍光イエロー