[印刷小話①]印刷の色領域について 2020年8月21日

 モニターで見ていた色と刷り上がった印刷物と比較して、くすんででしまったという経験はないでしょうか。これはモニターに映し出される画像はRGB(レッド・グリーン・ブルーバイオレット)で表現され、印刷物はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)で印刷されているからです。

 下図の馬蹄形は色度図と言い、人間の見える色範囲を示しており、RGBが表現できる範囲が赤枠・オレンジ枠、CMYKが表現できる範囲が青枠となります。RGB画像はCMYK画像に比べて広く、特にグリーン部と紫部でどうしても見劣りしてしまいます。

 通常カラー印刷はCMYKで印刷しますが、感色シリーズではCMYKに1~3色足して多色刷りすることにより、Adobe RGBに表現域を近づけています。つまりプロセスカラーCMYKに加えて、弱い色(発色できない色)を追加することにより、CMYKの弱い部分を克服しています。

※Adobe RGBとsRGB

sRGB:
IEC(国際電気標準会議)が制定した標準規格で、一般的なデジカメ・モニタ・プリンタはsRGB準拠でつくられていますが印刷色再現範囲より狭い部分があります。
Adobe RGB:
Adobe(アドビシステムズ)が制定した色空間で、sRGBに比べてグリーン領域の再現範囲が拡大された色空間です。DTP業界では推奨されている色空間で印刷色再現範囲を包括しています。

  • RGB色再現

  • CMYK色再現

2点の画像を比べてみると一目瞭然でRGB色再現はきれいでCMYK色再現は濁っていることが分かります。
感色Vol.14ではベースCMYKに蛍光インキCMYを追加して7色刷りで印刷してRGB色再現に近づけています。


  • プロセスCMYKインキ印刷

  • 蛍光CMYインキ印刷

蛍光CMY+プロセススミインキのみで印刷した場合、蛍光色が前面に出てかなり不自然な表現となってしまったので、プロセスCMYKインキ+蛍光CMYインキの7色刷りで設計しました。
CMYK版はプロセスインキの濁りが出でてしまう鮮やかな部分の色を落とし、それ以外の黒い部分や濁りがある部分をベースとして印刷し、蛍光CMY版はプロセスCMYKで落とした鮮やかな部分に補色して印刷することによりRGB再現領域に近づけました。

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