感色スタッフ対談
五感に伝わる!ブランド価値を高めるオリジナルパッケージとは?
2025年6月12日
#感色とは?
老舗印刷会社の写真化学が手がける、印刷の魅力を伝える独自のプロジェクト。視覚だけでなく、触覚や嗅覚など五感に響く印刷表現を追求しています。
今回のテーマは、“パッケージ”。
パッケージは、商品を包む用途だけでなく、ブランドの世界観を伝える大切な役割を担っています。市場には多くの商品が溢れ、価格競争が激しくなる中で、パッケージデザインを工夫して他社との差別化を狙う企業が増えています。顧客体験を重視し、リピーターを獲得するためにも、パッケージの役割はますます重要となっています。
今回の対談では、感色スタッフが、世の中のニーズや「感色の取り組み」に触れながら、ブランド価値を高めるパッケージについてお話しします。皆さんも一緒に、パッケージ印刷の可能性について考えてみませんか?
―自己紹介からスタート!
小原:本日司会を務めさせていただきます、マーケティング部広報の小原です。まずは、お二人の自己紹介とパッケージに関するエピソードをお願いします!
藤田:エピソード(笑)私はグラフィックデザイナーとして入社し、その後はクリエイティブディレクターとしても活動してきました。最近は企業様のブランディング案件の企画にも携わっています。実はデザイナーを目指すきっかけはCDのパッケージでした。学生の頃、有名なアーティストのパッケージデザインを手掛けていらっしゃったクリエイティブディレクターの信藤三雄さんに憧れていました。
橋爪:昨年の4月に入社した営業の橋爪です。就職活動中に感色vol.23の表紙に魅了され、こんな素敵な印刷物を作る会社で働きたいと思い入社を決めました。博物館や美術館が好きで、パッケージやデザインの展示があるとふらっと立ち寄ることが多いです。
―ところで、“感色”とは?
藤田:簡単に言うと、「今一度印刷価値を見つめなおしたい!」という想いのもと立ち上げた老舗の印刷会社である当社のプロジェクトですね。デジタル化が進んだり、ネットプリントの台頭で印刷が一気に手軽なものになって、“印刷技術のこだわりに対する価値”が少し揺らいだ風潮がありました。
小原:そうですね・・・10年前くらいに営業をしていたころは、ネットプリントの見積と比較して値下げ交渉が増え、胸を張って見積を出せなかった時期がありましたね・・・。
藤田:そうでしたね。ネットプリントのおかげで個人の方でも気軽に印刷物を製作できるようになったわけですが、その風潮の中で、“企画デザイン等のクリエイティブ力”や“印刷品質”を強みにしてきた我々としては、当社独自の印刷表現技術をお客様に認めていただける新しい取り組みを始めないと・・・という想いにかられました。
―感色のコンセプトって?
この流れで、今一度、印刷のポテンシャルや可能性を見つめ直そうということで始まったプロジェクトが“感色”です。感色のコンセプトは、「製品や素材の魅力が人々の五感に伝わるような、リアルな印刷表現。」。この冊子は、我々の得意とする印刷表現をご紹介する冊子ですね。
小原:なるほど。当社では、食品メーカーの店頭POPやカタログなどの案件で、美味しそうに見えるかどうかという微妙な色の違いを厳しく追求してきました。“感覚”に訴えるような印刷表現は得意としてきましたよね。
藤田:そうそう。ひとつひとつの印刷物にこだわりをもってリアルを追求して、クオリティの面で納得できる印刷物を作ってきました。
小原:そうですね~。完成物が仕上がったら、営業も事務もデザイナーもみんな揃って、色の出方をチェックして意見交換をしています!
藤田:はい。ですので、この感色の冊子、単に特殊な印刷加工表現を紹介するサンプルではないんです。「五感に伝わるリアルを再現できる技術力」という当社の印刷表現技術をお届けし、さらにはそれを“価値”としてお客様に認めていただけたら嬉しいなということで、生まれました。
―感色プロジェクトでなぜパッケージ強化?
藤田:やはり市場ニーズの変化によるものですね。デジタル化の流れで、読み物的な冊子の読者が減っているけど、商品を包むものは減るものではなく、むしろブランドの体験価値として見直され始めている。近年では脱プラということもありエコロジーの観点でも、リサイクルできる紙でできた資材のニーズが高まりました。
プロジェクトで、印刷価値を見つめ直している中で、従来から取り組んでいるパッケージの案件も、“五感に伝わる”という点で感色を展開して、お客さんが手に取ったときの、喜びとか“感情”・“感覚”に訴えかけるようなものを、“体験価値”として顧客に価値を提供したい。その結果、お客様のブランド価値を高めることに寄与したいということになりました。感色のコンセプトを展開したパッケージを広くお客様に発信していこう、ということで展示会出展も始めましたね。
展示例:量り売り化粧品メーカーにおける、ショッパーを兼ねたギフトパッケージ
―感色が提供できる価値とは?
藤田:よくあるパッケージの製作とかだと、パッケージデザイナーがデザインを施して、外部の印刷工場に指示をして、というようなプロセスで進めていくのかなと思います。当社の場合は、営業、デザイナー、それから工場の製版や設計、印刷部隊も巻き込んでチームで作り上げていきます。なので、デザイナーからの一方通行ではない、チームだからこそ生まれるクリエイティブ力が強みです。
小原:そうですね。当社は、社是や行動指針にある「人とのふれあい」や「コミュニケーション」を大切にしながら、日々お仕事に取り組んでいますね。
橋爪:印刷の技術面でいうと、入社時の研修で、印刷物を量産する際に同じ色を出し続けることは、かなり難しいとお聞きしました。当社は色目管理にはかなり厳しく、カラーマネジメントシステムでのカラーマッチングを行うことはもちろん、最後はプリンティングオペレーターが目で見て調整している職人技です。お客様はブランドカラーの再現に、強いこだわりと想いを持たれています。しかし、その色を安定して印刷・納品するのは簡単ではありません。当社に全国からこうした印刷のご相談をいただくのは、長年培った「高品位印刷」の技術と品質管理の高さが信頼いただけているからではないでしょうか。
―最後に
藤田:どんなブランドにも必ず「伝えたいブランド価値」があるので、そのメッセージをエンドユーザーにきちんと届けられるものであることが大切だと思っています。当社の企画やデザイン、印刷表現でそれを具現化することで、お客様やエンドユーザーの方々に価値を届けられたらと思います。
橋爪:そうですね。エンドユーザーの方が、パッケージのデザインや印刷表現に魅力を感じ、“感情”が動かされて、商品を買っていただけるようなパッケージをご提案したいなと思っています。また当社は、パッケージだけではなく様々な媒体の販促ソリューションを持っているので、そのパッケージを手に取っていただけるような施策も併せてご提案していけたらと思います。
小原:なるほど。
当社は明治初年に創業した老舗の印刷会社で、実は、創業者が古くからたばこなどのパッケージデザインから印刷まで手掛けていたというルーツがあります。近年、時代に合わせて事業は拡大していきましたが、これからもデザイン思考と印刷技術を大切にしながら、世の中のニーズに合わせて、柔軟に価値提供していけたらと思いました!
本日は、ありがとうございました!